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発達障害に対しての視覚支援についての私見 [自閉症 雑文]

発達障害に対しての視覚支援についての私見
自閉症児の多くに、知覚過敏があり、視覚優位性がある事は、
疑いのない事実です。
ゆえに、視覚に重きを置いた、構造化が有効であるとされています。
その一方で、視覚支援を行っても、少しも落ち着かない、パニックが
減少しないというケースも、実際にあります。
逆に視覚支援が上手く機能している時は、どんな状態なのでしょう。
きっと自閉症児はとても落ち着いていて、流れるように、示された行動
カードをこなしていると思います。
問題となるのは、不安定な時や、パニックを起こしている時です。
不安定な程度が比較的軽い時や、知覚過敏、衝動性の高くない、自閉症児は、
タイムアウトを要求したり、自分が落ち着くためのアイテムや遊びをカードを
使って適切に要求するでしょう。
しかし、イライラが慢性化していたり、知覚過敏、衝動性の高い自閉症児の場合は、
要求したカードや、選択させたカードが示すものや行動が、本人が落ち着くための
行動とは、必ずしも一致しない。と考えています。
  混乱したり、パニックを起こしたりしている自閉症児に対して、保護者や支援者は、
早く落ち着かせてあげたい。なんとかしてあげたいと思います。
ですから、自閉症児が好きだと思うことをおもいつくかぎりのことを、
絵カードを通して選択させようとするかもしれません。
絵カードや写真は、自閉症児に対して、とてもわかりやすく作られています。
見通しも持ちやすいのでしょう。
何をしたらよいかわかりやすいゆえに、それをしなければいけないと、
見えているように、ぼくには見えるのです。
 
  パニックを起こしていたり、不安定になっている、自閉症児の要求は、
おそらく、とてもシンプルです。
  「ぼくは、とっても困っています。早く落ち着きたいです。」
言葉のある自閉症児も、ない自閉症児も共通の願いであり、要求だと考えています。
そんな自閉症児に対して、知らず知らずのうちに出してしまっている。命令、指示が、
落ち着かせるための手段として有効であるとは言い切れません。
逆効果である場面すらあるのです。
重篤な知覚過敏、衝動性を持つ自閉症児に対しての視覚支援は慎重に慎重を期して
使用すべきであると考えます。


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